干支とは何か!60歳を還暦という理由
Contents
【1】十干とはなにか
1-1.10日で一区切り
十干とは「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」の総称であり、日を10日で一区切り(一旬)として数えるための符号(呼び名)です。10日ごとなので上旬・中旬・下旬と三つの旬で「ひと月」になるわけです。
| 十干 | 音読み | 訓読み |
|---|---|---|
| 甲 | こう | きのえ |
| 乙 | おつ | きのと |
| 丙 | へい | ひのえ |
| 丁 | てい | ひのと |
| 戊 | ぼ | つちのえ |
| 己 | き | つちのと |
| 庚 | こう | かのえ |
| 辛 | しん | かのと |
| 壬 | じん | みずのえ |
| 癸 | き | みずのと |
十干の起源は中国の殷の時代(紀元前14~15年)に遡ります。この当時はこの10日を一旬とした卜占いも盛んであったそうです。 十干はやがて陰陽五行説に組み合わされ、それぞれが意味を持つようになります。
ちなみに日本では、この陰と陽を兄(え)弟(と)に見たて、兄弟(えと)と呼ぶようになりました。
2-1.陰陽五行説とはなにか
陰陽五行説とは、中国の戦国時代に発生した陰陽説と五行説が漢代に結びつき一体化した説のことです。

陰陽説とは自然界の全てのものを「陰」と「陽」という相反する二つの要素で捉えるといった考え方です。この陰と陽を表す図が陰陽太極図、シンボルマークのようなものですね。この二つの要素は互いの過不足を補いながら、また時に対立をしながら絶えず変化をしています。
一方五行説とは自然界のすべてのものは 「木・火・土・金・水」 といった五つの元素で成り立っているといった説です。
そしてそれぞれの意味は、 ・木:成長を表す ・火:炎のような情熱 ・土:万物を育む ・金:冷徹で固いもの ・水:生命の源泉 となります。
さらにこの五つが、 ・相生:相手を助ける ・相剋:相手を攻撃する ・比和:同じ気の重なり ・相乗:過剰な相生・相剋 ・相侮:相剋関係の反転 ・勝復:生剋関係のバランスを維持
このようにお互いの性質を補い合いったり、また打ち消し合うなどして全てのものがバランスを保っている、といったものです。

前述の通り、十干はやがて陰陽五行説に組み合わされそれぞれが意味を持つようになります。一覧にするとこうなります。
| 十干 | 五行 | 陰陽 | 五行陰陽 | |
|---|---|---|---|---|
| 甲 | 木 | 陽(兄) | 木の兄 | 大樹 |
| 乙 | 陰(弟) | 木の弟 | 灌木 | |
| 丙 | 火 | 陽(兄) | 火の兄 | 太陽 |
| 丁 | 陰(弟) | 火の弟 | 提灯 | |
| 戊 | 土 | 陽(兄) | 土の兄 | 山 |
| 己 | 陰(弟) | 土の弟 | 田 | |
| 庚 | 金 | 陽(兄) | 金の兄 | 剛金 |
| 辛 | 陰(弟) | 金の弟 | 柔金 | |
| 壬 | 水 | 陽(兄) | 水の兄 | 海 |
| 癸 | 陰(弟) | 水の弟 | 水滴 |
【2】十二支とはなにか
2-1.ネコがいない理由
十二支とは「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」から成るものであり、本来は1年12か月の順を表すものでした。ちなみに11月から始まっているのは、中国では冬至から四季が始まるといった考え方があったからです。

やがてこれらに12種類の動物が当てはめられました。しかし、それぞれの動物を意味する字とは違ったものになっています。これは暦を広く普及させるため、字がわからない人にも覚えてもらうためと言われています。
しかしなんでこの動物なのか、これについては神様がある年の元日に動物たちに競争をさせゴールした順番で決まったから。またネコが入っていなのはネズミに日程をだまされたからである。こんな説があるようですが当てにはなりません。
そしてこの十二支も十干と同じように陰陽五行説と合わさり意味を持つようになりました。
| 十二支 | 五行 | 陰陽 |
|---|---|---|
| 子 | 水 | 陽 |
| 丑 | 土 | 陰 |
| 寅 | 木 | 陽 |
| 卯 | 木 | 陰 |
| 辰 | 土 | 陽 |
| 巳 | 火 | 陰 |
| 午 | 火 | 陽 |
| 未 | 土 | 陰 |
| 申 | 金 | 陽 |
| 酉 | 金 | 陰 |
| 戌 | 金 | 陽 |
| 亥 | 水 | 陰 |
2-2.時刻と方角
また十二支は、時刻を表すことにも使われました。午前・午後といった表記は11時から13時の間が「午の刻」であったことに由来します。
| 十二支 | 時刻 | 方角 |
|---|---|---|
| 子 | 23時 ~ 1時 | 北 |
| 丑 | 1時 ~ 3時 | ・北東微北 |
| 寅 | 3時 ~ 5時 | ・北東微南 |
| 卯 | 5時 ~ 7時 | 東 |
| 辰 | 7時 ~ 9時 | ・南東微北 |
| 巳 | 9時 ~ 11時 | ・南東微南 |
| 午 | 11時 ~ 13時 | 南 |
| 未 | 13時 ~ 15時 | ・南西微南 |
| 申 | 15時 ~ 17時 | ・南西微北 |
| 酉 | 17時 ~ 19時 | 西 |
| 戌 | 19時 ~ 21時 | ・北西微南 |
| 亥 | 21時 ~ 23時 | ・北西微北 |
十二支の示す方角については、 ・ 真北は子 ・真東は卯 ・真南は午 ・真西は酉 として時計回りに十二支が配されています。
さらに・・・ ・北東は「うしとら」であり「艮」 ・南東は「たつみ」であり「巽)」 ・南西は「ひつじさる」であり「坤」 ・北西は「いぬい」であり「乾」 といった字が当てられています。
【3】六十干支とはなにか
3-1.60年で一回りします
十干と十二支の組み合わせは60通りあり、これを六十干支と呼びます。 その組み合わせとは、
- 十干の「甲・丙・戊・庚・壬」と十二支の「子・寅・辰・午・申・戌」
- 十干の「乙・丁・己・辛・癸」と十二支の「丑・卯・巳・未・酉・亥」
| 番号 | 干支 | 音読み | 訓読み |
|---|---|---|---|
| 1 | 甲子 | こうし | きのえね |
| 2 | 乙丑 | いっちゅう | きのとうし |
| 3 | 丙寅 | へいいん | ひのえとら |
| 4 | 丁卯 | ていぼう | ひのとう |
| 5 | 戊辰 | ぼしん | つちのえたつ |
| 6 | 己巳 | きし | つちのとみ |
| 7 | 庚午 | こうご | かのえうま |
| 8 | 辛未 | しんび | かのとひつじ |
| 9 | 壬申 | じんしん | みずのえさる |
| 10 | 癸酉 | きゆう | みずのととり |
| 11 | 甲戌 | こうじゅつ | きのえいぬ |
| 12 | 乙亥 | いつがい | きのとい |
| 13 | 丙子 | へいし | ひのえね |
| 14 | 丁丑 | ていちゅう | ひのとうし |
| 15 | 戊寅 | ぼいん | つちのえとら |
| 16 | 己卯 | きぼう | つちのとう |
| 17 | 庚辰 | こうしん | かのえたつ |
| 18 | 辛巳 | しんし | かのとみ |
| 19 | 壬午 | じんご | みずのえうま |
| 20 | 癸未 | きび | みずのとひつじ |
| 21 | 甲申 | こうしん | きのえさる |
| 22 | 乙酉 | いつゆう | きのととり |
| 23 | 丙戌 | へいじゅつ | ひのえいぬ |
| 24 | 丁亥 | ていがい | ひのとい |
| 25 | 戊子 | ぼし | つちのえね |
| 26 | 己丑 | きちゅう | つちのとうし |
| 27 | 庚寅 | こういん | かのえとら |
| 28 | 辛卯 | しんぼう | かのとう |
| 29 | 壬辰 | じんしん | みずのえたつ |
| 30 | 癸巳 | きし | みずのとみ |
| 31 | 甲午 | こうご | きのえうま |
| 32 | 乙未 | いつび | きのとひつじ |
| 33 | 丙申 | へいしん | ひのえさる |
| 34 | 丁酉 | ていゆう | ひのととり |
| 35 | 戊戌 | ぼじゅつ | つちのえいぬ |
| 36 | 己亥 | きがい | つちのとい |
| 37 | 庚子 | こうし | かのえね |
| 38 | 辛丑 | しんちゅう | かのとうし |
| 39 | 壬寅 | じんいん | みずのえとら |
| 40 | 癸卯 | きぼう | みずのとう |
| 41 | 甲辰 | こうしん | きのえたつ |
| 42 | 乙巳 | いつし | きのとみ |
| 43 | 丙午 | へいご | ひのえうま |
| 44 | 丁未 | ていび | ひのとひつじ |
| 45 | 戊申 | ぼしん | つちのえさる |
| 46 | 己酉 | きゆう | つちのととり |
| 47 | 庚戌 | こうじゅつ | かのえいぬ |
| 48 | 辛亥 | しんがい | かのとい |
| 49 | 壬子 | じんし | みずのえね |
| 50 | 癸丑 | きちゅう | みずのとうし |
| 51 | 甲寅 | こういん | きのえとら |
| 52 | 乙卯 | いつぼう | きのとう |
| 53 | 丙辰 | へいしん | ひのえたつ |
| 54 | 丁巳 | ていし | ひのとみ |
| 55 | 戊午 | ぼご | つちのえうま |
| 56 | 己未 | きび | つちのとひつじ |
| 57 | 庚申 | こうしん | かのえさる |
| 58 | 辛酉 | しんゆう | かのととり |
| 59 | 壬戌 | じんじゅつ | みずのえいぬ |
| 60 | 癸亥 | きがい | みずのとい |
3-2.60歳を還暦という理由
干支というと十二支を思い浮かべる方が多いかと思いますが、本来干支とはこのこの六十干支をいいます。60年で一回りとなるため60歳を還暦というわけです。
この十干と十二支の持つ五行の組み合わせが、相生や相剋といった関係を表します。日々の吉凶を占う暦注の多くは、この干支や陰陽五行説などに由来するものです。



